2006年 02月 04日
「高倍率マクロ撮影レンズ」への道
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今回はレンズを改造して手軽に拡大マクロレンズにしてしまう方法を紹介します。
ただし以下の方法は破壊を伴うので、くれぐれも自己責任でお願いしますm(_ _)m
もともとの情報源はこちら、海野和男氏の小諸日記(05年12月18日)です。
それによると、廉価ズームレンズであるNIKONのAF28-80mmF3.5-5.6Gの前玉をはずすだけで拡大接写専用のレンズに早変わりしてしまう、ということだそうです。海野氏の言葉を引用すると、「さっそく力任せに前をひねったら、前玉だけそのままはずれた」とのこと(・・・・・・ほんとか?・笑)
これを見たとあるBBSの人たちが、私より先にこの改造(破壊??)を行っているのを知り、私も実際にやってみることにしました。
ところでレンズですが、どうやら一番安価な標準ズームであれば可能なようです。とにかく安い(新品でも1万前後)レンズで、そしてピントリングがなく前玉がついている鏡筒部分を直接回すとピント合わせができる、というタイプのレンズなら、どうやらメーカーを問わずできるようです。(私の知っている範囲で、シグマの同スペックのレンズでも出来たとのことです。)
このレンズ、中古なら5~8千円が相場で、私のは6800円で入手しましたが、もしジャンク品で1000円なんてのがあれば、かなりお買い得になります。でもどうやら最近この手のズームレンズが中古市場で以前より品薄になってきているようなので、みんなして前玉を外しているのかもしれません(笑)
さて、以下の写真は、私が購入したNIKONのAF28-80mmF3.5-5.6Gです。
(中古とはいえ、なぜかレンズキャップがシグマでした。)
早速、これをとにかく力を入れて強引に回そうとしてみました。
「パキ、パキ」
……なにか音がしました。
しかしまだとれそうにありません。
そこでもぎ取るぐらいのつもりでさらに力を入れて回してみました。
「パキパキッ、パキッッ」
……手応えとともに何かが折れたような音がしました(笑)
あとはさらに力任せにひねったり、引っ張ったりしてみたら、
見事前玉のついている鏡筒部分が外れました!!
写真は見事前玉部分のなくなったレンズと、外れた前玉部分です。
↓中玉がむき出し(笑)
そして試しに撮影してみたところ、ちゃんと写りました。
(写真は後ほど掲載します。)
しかもリバースなどの方法と違って、ちゃんとAEが使えますので、これは便利です。
もっとも前玉の枠もないので、レンズキャップもフィルターもつけることは出来ませんが、そこは安物レンズ、これでもいいかなと思って満足していました。
……さて、無事改造に成功して満足していた私ですが、翌日同じ改造をすでに行っていたとあるお方から、さらなる情報を聞いてしまいました。
それとは、「鏡筒部を外さなくても、前玉の部分だけ外せる方法がある、しかも前玉の鏡筒部は残るのでフィルターもレンズキャップもフードも使える」とのこと。
……どうやら私の行動が早まりすぎたようです(爆)
後の祭りのような気がしなくもないですが、せっかくなので前玉を鏡筒から外す方法もやってみました。
方法自体は簡単で、厚めのゴム板(厚さが2センチぐらい)をホームセンターなどで買ってきて、それを前玉のガラス部分に押し当て、ゴム面の摩擦力を利用して回す、というものです。実は前玉のガラス部分はネジ込み式になっているので、回せばガラス部分だけが外れるのです。
で、やってみたらホントに外れました。
この写真の中央にあるのが、前玉鏡筒部から外した前玉レンズ部分です。この方法なら壊さなくても拡大マクロレンズが手に入り、しかも元に戻せば普通の標準ズームとしても使えます。
さて、今さらながらの感もあった私でしたが(笑)、ふと思い立って前玉ガラスの外れた鏡筒部分だけを接着剤で強引に元の鏡筒にはめ込み直して接着しました。
これでキャップはつけられるようになりましたので、とりあえず良しとします。でもこぼれた接着剤で汚なくなったので見た目はかなりイケてません。もちろんもとの標準ズームの姿に戻すこともできません(苦笑)
さて、実際のところの拡大率がどうなのか、定規を撮ることで調べてみました。以下の画像は全てF5.6(=80mm域の開放値)で撮影しています。
まずズームリングを28mmのところにした場合。
長辺23.5mmの大きさのCCD上に、約37mmの幅が写っていることになります。つまり拡大率は、23.5÷37=約0.64倍です。
ちなみにこのレンズ、平面を写すと画面中央と周辺部とでピントの合う位置が微妙にずれています。この写真は周辺部にピントが合っていますが、中央部はピントがはずれています。(逆に中央部にピントを合わせると周辺がピントから外れてぼけた描写になります。)もっともこのレンズで平面のものを撮らない限りは問題ないでしょう。
次にズームリングを80mmにした場合。
約14mm分写っています。つまり、23.5÷14=約1.68倍の拡大撮影(!)になっているわけです。
レンズ単体でここまでいくのはなかなかすごいことです。
もっとも、このレンズは鏡筒前から約5センチ前後のところにしかピントが合わないので、遠景はまったく撮れなくなります。拡大接写専用レンズというわけです。
そして、さらなる拡大率を得るために、ケンコーの1.4倍テレコンを装着してみました。
約10mm分だけ写っているので、23.5÷10=2.35倍の拡大撮影が可能ということになります。
さらにテレコン1.4倍にケンコーの接写リング36mmもつけた場合。
約6.5mmの幅しか写っていないので、23.5÷6.5=約3.6倍(!!!)の拡大撮影ということになります。
この拡大率で手持ちだと、ファインダーを覗いたときに地震が起こっているかのごとく激しく手ぶれしているのがわかります(笑)
これを用いた実写サンプルは後日お見せする予定です。
最後に繰り返しになりますが、ここに紹介したことは一切自己責任でお願いいたしますm(_ _)m
ただし以下の方法は破壊を伴うので、くれぐれも自己責任でお願いしますm(_ _)m
もともとの情報源はこちら、海野和男氏の小諸日記(05年12月18日)です。
それによると、廉価ズームレンズであるNIKONのAF28-80mmF3.5-5.6Gの前玉をはずすだけで拡大接写専用のレンズに早変わりしてしまう、ということだそうです。海野氏の言葉を引用すると、「さっそく力任せに前をひねったら、前玉だけそのままはずれた」とのこと(・・・・・・ほんとか?・笑)
これを見たとあるBBSの人たちが、私より先にこの改造(破壊??)を行っているのを知り、私も実際にやってみることにしました。
ところでレンズですが、どうやら一番安価な標準ズームであれば可能なようです。とにかく安い(新品でも1万前後)レンズで、そしてピントリングがなく前玉がついている鏡筒部分を直接回すとピント合わせができる、というタイプのレンズなら、どうやらメーカーを問わずできるようです。(私の知っている範囲で、シグマの同スペックのレンズでも出来たとのことです。)
このレンズ、中古なら5~8千円が相場で、私のは6800円で入手しましたが、もしジャンク品で1000円なんてのがあれば、かなりお買い得になります。でもどうやら最近この手のズームレンズが中古市場で以前より品薄になってきているようなので、みんなして前玉を外しているのかもしれません(笑)
さて、以下の写真は、私が購入したNIKONのAF28-80mmF3.5-5.6Gです。
(中古とはいえ、なぜかレンズキャップがシグマでした。)
早速、これをとにかく力を入れて強引に回そうとしてみました。
「パキ、パキ」
……なにか音がしました。
しかしまだとれそうにありません。
そこでもぎ取るぐらいのつもりでさらに力を入れて回してみました。
「パキパキッ、パキッッ」
……手応えとともに何かが折れたような音がしました(笑)
あとはさらに力任せにひねったり、引っ張ったりしてみたら、
見事前玉のついている鏡筒部分が外れました!!
写真は見事前玉部分のなくなったレンズと、外れた前玉部分です。
↓中玉がむき出し(笑)
そして試しに撮影してみたところ、ちゃんと写りました。
(写真は後ほど掲載します。)
しかもリバースなどの方法と違って、ちゃんとAEが使えますので、これは便利です。
もっとも前玉の枠もないので、レンズキャップもフィルターもつけることは出来ませんが、そこは安物レンズ、これでもいいかなと思って満足していました。
……さて、無事改造に成功して満足していた私ですが、翌日同じ改造をすでに行っていたとあるお方から、さらなる情報を聞いてしまいました。
それとは、「鏡筒部を外さなくても、前玉の部分だけ外せる方法がある、しかも前玉の鏡筒部は残るのでフィルターもレンズキャップもフードも使える」とのこと。
……どうやら私の行動が早まりすぎたようです(爆)
後の祭りのような気がしなくもないですが、せっかくなので前玉を鏡筒から外す方法もやってみました。
方法自体は簡単で、厚めのゴム板(厚さが2センチぐらい)をホームセンターなどで買ってきて、それを前玉のガラス部分に押し当て、ゴム面の摩擦力を利用して回す、というものです。実は前玉のガラス部分はネジ込み式になっているので、回せばガラス部分だけが外れるのです。
で、やってみたらホントに外れました。
この写真の中央にあるのが、前玉鏡筒部から外した前玉レンズ部分です。この方法なら壊さなくても拡大マクロレンズが手に入り、しかも元に戻せば普通の標準ズームとしても使えます。
さて、今さらながらの感もあった私でしたが(笑)、ふと思い立って前玉ガラスの外れた鏡筒部分だけを接着剤で強引に元の鏡筒にはめ込み直して接着しました。
これでキャップはつけられるようになりましたので、とりあえず良しとします。でもこぼれた接着剤で汚なくなったので見た目はかなりイケてません。もちろんもとの標準ズームの姿に戻すこともできません(苦笑)
さて、実際のところの拡大率がどうなのか、定規を撮ることで調べてみました。以下の画像は全てF5.6(=80mm域の開放値)で撮影しています。
まずズームリングを28mmのところにした場合。
長辺23.5mmの大きさのCCD上に、約37mmの幅が写っていることになります。つまり拡大率は、23.5÷37=約0.64倍です。
ちなみにこのレンズ、平面を写すと画面中央と周辺部とでピントの合う位置が微妙にずれています。この写真は周辺部にピントが合っていますが、中央部はピントがはずれています。(逆に中央部にピントを合わせると周辺がピントから外れてぼけた描写になります。)もっともこのレンズで平面のものを撮らない限りは問題ないでしょう。
次にズームリングを80mmにした場合。
約14mm分写っています。つまり、23.5÷14=約1.68倍の拡大撮影(!)になっているわけです。
レンズ単体でここまでいくのはなかなかすごいことです。
もっとも、このレンズは鏡筒前から約5センチ前後のところにしかピントが合わないので、遠景はまったく撮れなくなります。拡大接写専用レンズというわけです。
そして、さらなる拡大率を得るために、ケンコーの1.4倍テレコンを装着してみました。
約10mm分だけ写っているので、23.5÷10=2.35倍の拡大撮影が可能ということになります。
さらにテレコン1.4倍にケンコーの接写リング36mmもつけた場合。
約6.5mmの幅しか写っていないので、23.5÷6.5=約3.6倍(!!!)の拡大撮影ということになります。
この拡大率で手持ちだと、ファインダーを覗いたときに地震が起こっているかのごとく激しく手ぶれしているのがわかります(笑)
これを用いた実写サンプルは後日お見せする予定です。
最後に繰り返しになりますが、ここに紹介したことは一切自己責任でお願いいたしますm(_ _)m
by stf_y
| 2006-02-04 18:09
| マクロ